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事例から読み解くDX時代のデータ活用

変化と競争の激しいビジネス環境において、かつてないほどDXが企業にとって重要とされており、様々な企業で取組が加速している状況です。しかし、取組を推進する上では様々な壁・課題に直面し、どう始めてよいのか分からないといった悩みを抱える企業は少なくないと思います。

取組を難しくする要因はいくつかあると思います。第一にはDXを推進する組織・人材の不足。第二には取組の効果検証の難しさ、第三には最新の技術トレンドの目利きやエンジニアの確保、第四には活用のインプットとなるデータの質や量。その他要因を挙げれば様々ですが、これらの課題を克服し、DXを推進し事業変革を実現する企業が出てきているのも事実です。

NTTデータでは、お客様が直面している状況、課題に応じて様々なDX推進をご支援してきました。今回は、少しでも上述した課題解決のヒントになればという思いで、2つの事例のご紹介をいたします。

取組事例1:顧客の声を逃さない!顧客折衝録から導き出す適切な商品のリコメンド

法人企業を顧客に持つお客様(A社様)の取組事例となります。

A社様は多様な顧客ニーズに対応できるよう自社の商品ラインナップが充実していることをセールスポイントとされている企業です。一方多様な商品ラインナップの把握管理は現場の負荷が高く、結果的に営業員は実績のある商品をメインに提案しており、お客様のニーズに応じたきめ細かな商品提案を行っていない、といった実態に課題感をお持ちでした。結果的に真の顧客ニーズにマッチする商品の提供ができているか分からず、顧客満足度の低下、売上の低下、離反につながることを課題視されておりました。

A社様のシステム環境としては、顧客管理システムの刷新を終え、各種営業支援ツールも導入されている状況でしたので、既存の仕組みを大きく変えずに上記の課題を解決できないかということでご相談をいただきました。

ヒアリングする中でいくつかの解決すべき課題が見えてきましたが、対策をうつべきと設定した課題は以下になります。

  • ①顧客の理解・ニーズ把握に必要な顧客情報が各種システムに散在しており活用しづらい
  • ②顧客のリアルな声が記録されている折衝録や通話ログの情報が活用されていない
  • ③商品知識が営業員ごとにばらつきがある

上記課題を解決するべく我々のとったアプローチとしては、大きく以下3ステップとなります。

  1. ステップ1:顧客理解に必要な散在する顧客情報を集める
    (=顧客情報の集約・情報抽出)
    散在する顧客情報を集約。各種顧客管理システムには手を入れず、優先度の高い情報からAsisで弊社ソリューションiTreausure(※)上へ集約。社外に存在する顧客情報(ニュース、企業HP情報等)も含めて収集・一元管理することで、様々な軸での顧客情報の一元化を実施。
  2. ステップ2:顧客360°の実現(=顧客属性・ニーズの抽出・顧客情報の紐づけ)
    収集した情報から自然言語解析技術を活用し顧客属性・ニーズに関する情報を抽出。
    特に、顧客のリアルな声が記録されている折衝録や通話ログのテキスト情報からも顧客特性やニーズに関する情報を抽出(イベント情報、悩み事、趣味等)。
    商品360°の実現
    成約実績に加え、商品マニュアル等から商品の特徴などの情報を抽出。
  3. ステップ3:顧客360°×商品360°で最適な商品リコメンド
    商品360°情報と商品360度°の情報をマッチングさせ、最適な商品をリコメンド
(アプローチのイメージ図)

対象となるインプットデータは段階的に拡充し、現場の声を聞きながら商品レコメンドのチューニングをトライ&エラーを繰り返しながらプロセスを回しました。

これらの取組の結果、従来よりも深い顧客属性の把握が可能になり、商品提案の幅が広がったとともに、クロスセル・アップセルにつながったというお声や、お客様要望などを考慮したきめ細かいコミュニケーションによりCS向上に繋がったという結果が得られています。また、顧客情報の活用が実感できることで、顧客情報の登録率の向上にもつながっているという副次効果も見えています。

取組事例2:「電源」も「スイッチ」も「オンオフ」も全部「電源」で検索できないのか?

続いては製造業のお客様(B社様)事例となります。

B社様は業務ノウハウの多くが蓄積されているマニュアル類・設計書・レポート等がキーワード一致では目的に応じた検索できない、属人的に情報が管理されている、関連する情報まで把握するのに時間がかかるといった課題感をお持ちでした。これらは業種業界問わず共通的な課題かと思います。

これらの課題の背景にあるのは、ドキュメントが作成される時点において、各種ドキュメント間で完全に整合が取れる形でデータ化されていないという点にあると考えています。作成者の観点やドキュメントの目的に応じて、同じ意味を表す言葉にも表記揺れが生じたり、表記が異なったりすることは当然起こりうることです。「電源」と書いたり、「オンオフ」で表現したり、「スイッチ」と記載したり・・・というようなイメージです。

上記の課題に対し、iTreasure(※)を活用して以下アプローチをとりました。

  • フォーマットも記載形式も異なる多種多様なドキュメントを一元化
  • ドキュメント内容全てを自然言語解析し、業務上必要な意味情報を付与(タグ付け)
  • タグ間の関連性(同義・関連)をSemantic/Ontology技術を活用して管理

ドキュメントへ意味情報を付与することで、意味でドキュメントが検索できるようになります。一例としては、「電源交換」で検索した場合に、キーワードとして完全に一致するものだけでなく、「電源交換」と同義で書かれている「スイッチ交換」もヒットしますし、電源部品に関連が深い「電源ユニット」というキーワードも検索結果としてヒットするというイメージです。検索キーワードに対して同義語・関連語も含めた検索結果が表示され、利用者の知識・目的に応じた柔軟な検索が可能になり、検索効率化だけでなくノウハウの共有にも繋がったというお声をいただいております。つまり、「電源」も「スイッチ」も「オンオフ」も全部「電源」で検索できるようになるのです。

(導入イメージ)

今回ご紹介した2つの事例に共通する進め方としては、ユースケースを明確にし、スモールスタートでサイクリックにトライ&エラーで検証を進めたという点になります。どう始めてよいのか分からないというお客様もまずは小さくスタートすることで、課題が明確になり取り組むべき次のステップが見えてくることがほとんどです。

NTTデータではお客様のデータ活用に関する課題に対し、最新の技術を活用し試行利用から本格運用まで一気通貫でのサービスを提供しております。

※iTreasure:https://abler.nttdata.com/solution/c07.html

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